憧憬と屍の道

あの日人類は思い出した

  • あの日人類は思い出した
  • 薄闇の中進む影は 誰も心許なく
  • 不確かな未来は何時だって
  • 薄氷の上に咲く
  • 夜が訪れる度に幾度も
  • 冷たい手で俺達の首筋を
  • 優しく撫でた
  • 黄昏を裏切って
  • 灯る希望の背に縋り
  • 追いかけた 地獄へと
  • 向かってると知っても
  • 夢の続きが見たいなら
  • お前は何を差し出せる
  • 悪魔は甘く囁いた 屍で道を造れ
  • 「この壁の向こうに何がある?」
  • 幼き日々に憧れた
  • 真実がすぐそこにある
  • 屍の道の先に
  • 箱庭で繰り返す
  • 悼みと恨みのループ
  • 流れこむ記憶の果て
  • 自由の意味を問う
  • 嗚呼 可能性に満ちていた
  • 筈の少年達の器に
  • 運命は其々 何を吹き込んだ
  • それは 誰の悲願か誰の夢か
  • 悲しみ憎しみが交わって
  • 紅蓮の矢は互いを目指す
  • 鳥の翼に憧れた
  • 人は空へと羽ばたける
  • 悪魔は狡く嘯いた 屍よ道を辿れ
  • 「この空の向こうに何がある?」
  • 幼き日々に囚われた
  • 昔日の灯が照らし出す
  • 屍の道の先を
  • 空の上から見たら
  • 一体何が見えるのだろう
  • ここではない何処かへ
  • 行ってみたかった
  • 幼き日に夢見た
  • 広い世界の果てには
  • 目眩を覚えるほどの 不条理が潜む
  • 自由を夢見た代償は
  • 冷たい土のベッド
  • 時に神の姿借りて 正義は牙を剥く
  • 檻の中も檻の外も等しく地獄か
  • 罪の重さを背負うほど
  • 踏み出す足に意味がある
  • 悪魔は低く呟いた 屍の道を進め
  • 「この闇の向こうに
  • なにがある?」
  • 幼き日々に呪われた
  • 現実は何時報われる
  • 屍の道の先で
  • 《紅蓮の衝動》が駆け抜けた軌跡
  • 《自由への覚悟》を散らして
  • 《捧げられた花弁》を束ねても
  • 《手向けるべき真の暁》には
  • 早すぎる
  • 太陽はまだ沈んでいないのだから
  • 進み続ける 波の彼方へ
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2020-7-22 18:40

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